講義・セミナーの基本
- テーマをはっきりとさせる
- 例えば、「投資について講義して下さい」と言われても、ちょっと範囲が広すぎて、教える方も教わる方も講義の内容が予測できません。参加者は「会社四季報の読み方」を教わろうと思ってくるかもしれませんし、「システムによる自動売買」について教わろうと考えているかもしれません。
範囲を狭めて、より具体性のあるテーマを決め、みんなに伝わるるようなコンセプトにしましょう。
- 参加者層を把握しておく
- 講義に参加する人の立場や職業、年齢などを知っておくことは、とても重要なことです。
できれば、講義する分野についての知識レベルも確認しておきたいところです。
参加者の予備知識が想像以上に豊富だと、講義内容のレベルが低過ぎて退屈させてしまいますし、お互い時間を無駄にしただけということにもなりかねません。逆に、参加者の知識レベルより高度な内容だと、全く理解できず、やはり時間の無駄遣いという結果になってしまいます。
事前に参加者がどんな人たちなのかという情報が得られにくい場合には、少し早めに会場へ行き、受講者と少し話しをするなどして情報をという方法もあります。
- 分かりやすく順序立てる
- 講義にもはじめ・本題・終わりと言うような順序立てが必要です。
誰もが、いきなり集中できる訳ではありませんし、講義に入ってこられようなきっかけを作って、受講者が聞く耳を持ってくれた方が、結果的には自分自身も講義しやすいものです。
受講者が講義についてこられるようなストーリー性を持たせ、聞く側の興味を持続させるような順序立てを考えましょう。
- 資料の準備は念入りにする
- 写真、グラフ、表、要点をまとめたものなど、受講者の理解の助けとなるようなものを少し多めに準備しておきます。
視覚的な要素が入ることで説得性も期待できますし、資料によって講師の話の内容を裏付けられます。
資料の準備には様々なものが利用できます。図書館や書店で書籍・雑誌を探したり、或いはテレビ・ラジオ、最近ではインターネットからも非常に多くの資料が利用できます。
また、自分自身の経験談や身近な例などを取り上げることで、受講者にも理解しやすくなる場合が多々あります。
- ツールを使う
- ただ、ぼーっと講師の話を聞かされていたのでは、受講者も集中力が途切れて眠くなっていまいますし、講師の側でも講義のメリハリがつけにくくなります。
これは重要ですよという箇所では板書をしたり、プロジェクターなどを使って、画像や写真など視覚的なアプローチをしたりします。言葉だけで説明するのが難しいような内容の場合にも視覚的なアプローチができる資料は有効です。
- 時間配分をしておく
- 目安としての時間配分はあらかじめしておきましょう。
講義の最初の方では、受講者も緊張していて直ぐには講義内容に集中できませんので、その分講義の本題に入るための雑談的な話をする余裕を持たせたり、大切なところは受講者の理解度を確認しながら進められるよう時間を多く取ったりします。
重要な箇所と、あまり重要でなく軽く資料を見せるだけで流して良いような箇所とでは時間の取り方も違ってきます。
- 講義概要(トークプラン)の作成
- いわゆるレッスンプラン、トークプランなどと言われるものです。レジュメとも言います。
講義概要(トークプラン)があることで、受講者は進捗具合を確認しながら、講義を受けることができるので、講義に入りやすくなります。
講義で話す内容をあらかじめまとめておくことは、聞く側に分かりやすいだけでなく、自分自身も進行しやすくなります。
本の目次のように大きな項目、小さな項目などに分けて内容を示しておくと、分かりやすいでしょう。
また、受講者に渡す講義概要とは別に、講義をスムーズに進める為に自分用のアンチョコ(トークプラン)も作成しておきましょう。
講義概要(トークプラン)の作成については、次項の「講義概要(トークプラン)の作成(1) トークプランのチェック項目」「講義概要(トークプラン)の作成(2) トークプラン作成上の注意点」で詳しく書きます。
〓 上手な教え方・話し方、講義・セミナーのすすめ方の目次 〓